経営者の発信が続かない原因は、意志の弱さではなく「書く」という工程が挟まっていることです。話すことは日常業務の延長でできますが、書くことは独立した作業時間を要求します。発信を続けるには、書く工程を経営者から外す設計が必要です。社内担当・外注ライター・AIツールがいずれも機能しにくい理由も、この一点に集約されます。
経営者の発信は、なぜ続かないのか?
結論から書きます。「書く」という工程が挟まっているからです。
経営者は毎日、大量に話しています。会議で、商談で、面談で、判断の理由を説明し、方針を語り、質問に答えています。話すことは業務そのものであり、追加の時間を必要としません。
ところが「書く」は違います。書くためには、まとまった時間を確保し、他の業務を止め、構成を考え、文章にし、読み返して直す必要があります。話すのが業務の一部なのに対し、書くのは業務の外側にある新しいタスクです。この差が、続くか続かないかを分けます。
よくある経過はこうです。最初の月は気合いが入っているので3本書けます。2ヶ月目、繁忙期が来て1本になります。3ヶ月目、書けないまま月末を迎えます。4ヶ月目、「書いていないこと」自体が心理的な負担になり、サイトを開かなくなります。そして更新が止まったブログが、そのまま数年放置される。
この経過に、意志の強弱は関係ありません。同じ構造で始めれば、誰でも同じところで止まります。
「時間がない」の正体は何か?
「時間がない」を分解すると、実は3つの別々の問題が混ざっています。
| 実際の問題 | 中身 | 必要な時間 |
|---|---|---|
| ①何を書くか決まらない | テーマ選び。求職者が何を知りたいかがわからない | 毎回30分〜数日(考え続けて着手できない) |
| ②書く作業そのもの | 3,000字の記事を構成し、書き、直す | 1本2〜4時間 |
| ③公開・展開の作業 | サイトへの投稿、SNS用への書き換え、画像の用意 | 1本30分〜1時間 |
合計すると、記事1本あたり3〜5時間です。月4本なら12〜20時間。経営者の月20時間は、事業の意思決定に使うべき時間であり、そこを削ってまで書き続けるのは合理的ではありません。だから止まります。止まるのが正常な判断です。
つまり問題は「時間がない」ことではなく、「経営者の時間を使う設計になっていること」です。
ノルツ株式会社 代表取締役 原本 昌悟「私自身が1人社長なので、この課題は他人事ではありません。発信したほうがいいのはわかっている。でも書けない。何度も止まりました。意志の問題だと思って自分を責めていた時期もありますが、そうではなかった。書く工程を残したまま続けようとしていたことが間違いでした。」
社内の担当者に任せると、なぜうまくいかないのか?
最も一般的な対策が「社員に任せる」です。しかしこれは、多くの場合うまくいきません。理由は2つあります。
第一に、担当者が判断の根拠を持っていないからです。なぜその案件を断ったのか、なぜその方針にしたのか。この理由は経営者の頭の中にあります。担当者は聞かなければ書けません。そして聞くには経営者の時間が必要で、結局そこがボトルネックになります。
第二に、担当者が書くと角が取れるからです。社員が会社について書く以上、リスクを取った表現はできません。「こういう人には向いていません」とは書けず、「幅広い方に活躍いただけます」になります。結果として、当たり障りのない、どの会社も同じ文章が生まれます。
加えて、担当者にとってこれは本業ではありません。繁忙期には後回しになり、担当者が異動・退職すれば止まります。属人化した副業タスクは、必ずどこかで止まります。
外注ライターに頼むと、なぜ薄い記事になるのか?
ライターに外注すれば、書く工程は外に出せます。しかし別の問題が発生します。取材の時間調整です。
ライターが記事を書くには、経営者から話を聞く必要があります。取材のアポイントを取り、日程を調整し、実施する。この調整コストが毎月発生します。そして経営者が忙しい月は取材が飛び、取材が飛べば記事も出ません。
取材の回数を減らすと、今度は1回の取材で複数本を書くことになり、内容が薄まります。同じ話を切り口を変えて水増しした記事が並び、読者にはすぐわかります。
また、コストの問題もあります。取材付きの記事外注は、1本あたり3〜5万円が一般的な相場です。月4本で12〜20万円。中小企業が採用のために継続的に負担するには、現実的な金額とは言いにくいところです。
AIに書かせれば解決するのか?
部分的には解決しますが、そのままでは解決しません。ここは正直に書きます。
AI記事作成ツールは、テーマを与えれば記事を生成します。書く工程のコストは劇的に下がり、AI活用により1本あたり約2万円前後(従来の記事外注は3〜5万円)という水準まで下がっているサービスもあります。
しかし問題は、AIが参照するのがWeb上の既存情報だということです。「中小企業 採用 差別化」というテーマを与えれば、AIはWeb上の情報を集約して記事を作ります。その結果は、他社が同じことをした場合とほぼ同じになります。
| 比較軸 | 一般的なAI記事作成 | 経営者の発言を元にした記事作成 |
|---|---|---|
| 元ネタ | Web上の既存情報 | 経営者本人の発言 |
| 出来上がる内容 | どの会社が作っても似る | その会社にしかない |
| 検索での評価 | 既存の上位記事を上回る理由が薄い | 競合が持っていない情報がある |
| 採用への効果 | 会社を選ぶ理由にならない | 判断材料になる |
| 経営者の作業 | テーマ指定・確認 | 話すだけ |
つまりAIは「書く工程」を解決しますが、「経営者の頭の中から情報を取り出す工程」は解決しません。ここが設計されていないAI活用は、一般論の量産に終わります。
では、どうすれば続くのか?
続く設計の条件は3つです。
- 経営者の作業を「話すこと」だけにする — 話すのは業務の延長です。追加の時間確保が要りません。書く・整理する・投稿するはすべて外に出します。
- テーマ選びも経営者の仕事にしない — 「何を書こう」で止まるのが最大の詰まりです。質問される形にすれば、答えるだけで済みます。
- 1回の入力から複数の出力を作る — 60分話した内容から複数本の記事が作れれば、月1回の稼働で継続できます。毎週書く必要がなくなります。
この3条件を満たすと、経営者の月間稼働は60分になります。20時間が1時間になれば、続けられない理由がなくなります。
実際にこの方法で成果は出ているのか?
ノルツが自社およびクライアントで運用した実測値を公開します。いずれも「話した内容を記事化する」仕組みで運用したサイトです。
| サイト | キーワード | 順位 | 運用期間 |
|---|---|---|---|
| kigyousien.com(ノルツ自社) | 起業支援 伴走サポート | 1位 | 1ヶ月 |
| kigyousien.com(ノルツ自社) | 起業支援 伴走 | 1〜3位 | 1ヶ月 |
| souryokomon.com(クライアント) | 僧侶顧問 | 1位 | 1ヶ月 |
| souryokomon.com(クライアント) | 仏教 組織開発 | 1〜3位 | 1ヶ月 |
- いずれもマーケティング用途のSEO実績であり、採用領域での実績ではありません。
- いずれも検索数の大きくないロングテールキーワードでの順位です。ビッグワードで1ヶ月で1位を取ったわけではありません。
- 「確実に取れる言葉から積む」設計だからこそ1ヶ月で結果が出ています。どのキーワードでも同じ速度が出るわけではありません。
この仕組みを作った動機は、他社への提供ではなく自分自身の課題を解くことでした。1人社長で、書く時間がない。それでも発信は必要。その矛盾を解くために設計し、自社で試し、順位がついたことを確認してからクライアントに展開しました。詳しい経緯と数字の詳細は実証データ・実績のページに記載しています。
今日から何を始めればいいのか?
書き始める必要はありません。次の順序で試してください。
- 今週あった判断を1つ思い出す — 何かを決めた、何かを断った、誰かに何かを言った。どれでも構いません
- その理由をスマホに録音する — 誰かに説明するつもりで、3分話してください。書かなくて構いません
- それを文字にしてみる — 文字起こしツールでも、自分で打っても構いません。ここで「話した内容には記事になる情報が入っている」ことが実感できます
- 続ける方法を決める — 毎週やるのか、月1回まとめてやるのか。誰が文字にするのか。ここを決めないと3ヶ月で止まります
重要なのは4です。1〜3は誰でも1回はできます。4を仕組みにできるかどうかで、資産になるか、放置されたブログになるかが決まります。
魅力採用「ミリョクル」について
ミリョクルは、この4工程すべてを外部化するサービスです。月1回・60分の収録だけで、AIが会社の考え方を記事にして自社サイトに蓄積します。テーマもこちらから質問する形で引き出すため、「何を話そう」で止まりません。初期費用100,000円、月額100,000円(税別)。記事本数は収録内容により変動し、本数の保証はありません。
