求人票は「条件を正確に伝える書類」であり、条件で勝てない会社の魅力までは載せられません。求職者が知りたい「この会社は何を大事にしているのか」は、求人票の欄の外にあります。だから当社は、会社の考え方・哲学を継続的に置いておく「場」——採用サイト、あるいはコーポレートサイト内の採用コンテンツ——が必要だと考えています。魅力採用とは、その場に何を積むかを設計する考え方です。
なぜ求人票を作り込んでも応募が来ないのか?
求人票が伝えられるのは「条件」までで、「選ぶ理由」までは伝えられないからです。そして条件で比較された時点で、待遇や知名度に資本を投じられる会社が有利になります。
求人媒体の求人票は、職種・給与・勤務地・休日・応募資格といった項目が最初から決まっています。求職者が複数社を並べて比べられるようにするための設計なので、これは媒体として正しい形です。ただしその正しさは、そのまま「同じ土俵で比べられる」ことを意味します。同じ項目で並んだとき、金額と知名度で優位に立つのは中小企業ではありません。
土俵の傾きは数字にも出ています。リクルートワークス研究所の「第42回 ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」によれば、大卒求人倍率は全体で1.66倍ですが、従業員300人未満の企業に限ると8.98倍です。求人倍率は「求人件数÷就職希望者数」なので、就職希望の学生1人に対して約9件の求人がある計算になります。この状況で条件欄だけを整えても、選ばれる確率はほとんど動きません。
出典:リクルートワークス研究所「第42回 ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」2025年4月24日発表https://www.works-i.com/surveys/report/250424_recruitment_saiyo_ratio.html
※2027年卒(第43回)から従業員規模別の求人倍率は公表されておらず、8.98倍は規模別として公表された最新値です(2026年8月時点)。
もう一つの問題は、求人票の作成が作業になりやすいことです。埋めるべき欄が決まっていると、埋めること自体が目的になります。内容は書いてあるのに魅力は伝わっていない、という状態はここで生まれます。外部サービスが用意する決まったフォーマットやキャッチコピーも、体裁は整いますが、会社の考え方や哲学までは載せる場所がありません。
ノルツ株式会社 代表取締役 原本 昌悟「求職者がその御社を選ぶ理由を作る。それが魅力採用の一番の中心の部分なんじゃないかなというふうに思います」
求人票では伝えられないものは、具体的に何か?
判断の理由、仕事の中身の手ざわり、そして会社が何を大事にしているかという哲学です。いずれも欄に収まる情報ではなく、文章量と更新の積み重ねでしか伝わりません。
| 求職者が知りたいこと | 求人票で伝わるか | どこでなら伝えられるか |
|---|---|---|
| 給与・休日・勤務地などの条件 | 伝わる | 求人票(本来の役割) |
| 実際の仕事は何をする日々なのか | 断片的にしか伝わらない | 社員の1日・仕事内容の記事 |
| 経営者が何を考えて判断しているか | 伝わらない | 経営者の考え方を書いた記事 |
| 会社が大事にしている価値観・哲学 | 伝わらない | 継続的に更新されるコラム |
| 入社後に誰と働くことになるのか | 伝わらない | 幹部・先輩社員の声 |
代表・原本は、求人票を見ても仕事の内容が正直あまり分からない、という求職者側の実感を出発点に置いています。募集要項の欄に何を書けば伝わるかを考えるのではなく、欄の外に置き場所を作るほうが早いという判断です。誰の声を集めればよいかについては幹部・先輩社員の声を拾うとEVPの設計に近づくで扱っています。
採用サイトとコーポレートサイト、どちらに採用コンテンツを置けばいいのか?
どちらでも構いません。重要なのは新しくサイトを作ることではなく、記事を積み続けられる場所が自社の管理下にあることです。
当社は提供形態として、独立した採用サイトを作る形と、すでにある本社のコーポレートサイトに採用コンテンツを追加していく形の両方を用意しています。この2つは優劣の関係ではなく、どちらでも同じように記事を積んでいけます。
どちらを選ぶ場合も条件は同じで、自社が所有していて、記事を1本ずつ独立したURLとして積める場所であることです。求人媒体の掲載枠は一般に掲載期間が定められており、期間が終われば自社の資産としては残りません。何を書けばよいかについては採用サイトに何を書けばいいかで整理しています。
発信の場を持つことは、求職者側にとって何のメリットがあるのか?
自分に合う会社を、自分の判断で選べるようになることです。採用コンテンツは会社が人を集めるための道具であると同時に、求職者が会社を見極めるための材料でもあります。
求人票の情報しかない状態では、求職者は条件で選ぶしかありません。条件で選んだ結果、入社後に「思っていた仕事と違う」「上司が何を考えているか分からない」となれば、それは会社にとっても求職者にとっても損失です。会社の考え方が事前に読める状態は、合わない人がエントリーしない状態でもあります。
入社後のミスマッチは統計にも表れています。厚生労働省が2025年10月に公表した「新規学卒就職者の離職状況」によれば、令和4年3月卒業の新規大卒就職者の3年以内離職率は33.8%。3人に1人が3年以内に辞めている計算です。採用コストをかけて入社してもらっても、価値観が合わないままでは早期離職の可能性が残ります。
出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します」2025年10月24日公表https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00010.html
ノルツ株式会社 代表取締役 原本 昌悟「求人票を見ても仕事の内容が正直あまりわからないんですよね……自分に合ったその就職先っていうのを自分で選んでアクションすることができる、応募することができる、そういう社会になっていくんじゃないかな」
当社が魅力採用を、企業側のメリットだけで説明しないのはこのためです。企業にとっては「選ばれる理由ができる」、求職者にとっては「選ぶ理由ができる」——この両面が成り立つ設計だと考えています。求職者側の視点で何が読まれるかは求職者が知りたいのは「差別化」ではなく「魅力」で詳しく扱っています。発信の必要性を求職者側から社内で説明するための整理は魅力採用は経営者だけでなく求職者にもメリットがあるにまとめました。
AIが求職者に会社を薦める時代に、発信してきた会社は何が違うのか?
AIが参照できる情報が自社にあるかどうかで差がつく、と当社は考えています。ただしこれは将来予測であり、確定した事実ではありません。
求職者が自分の価値観や働き方の希望をAIに伝え、AIが条件に合う企業を提示する——そうした形が広がっていく可能性があると代表・原本は見ています。そのとき、AIが読めるのはインターネット上に存在する情報だけです。求人票の条件しか出ていない会社と、経営者や社員の考え方が記事として蓄積されている会社とでは、価値観で照合されたときに提示される確率が変わってくるという見立てです。
ノルツ株式会社 代表取締役 原本 昌悟「今までずっと情報を発信し続けてきた企業と、何にも情報を発信しないでね、採用活動を行っていた企業とだったら、もうどっちの方がね、勝てる市場になっているかっていうのは、もうね、火を見るより明らかなんじゃないかな」
この見立ては現時点で実測データがあるものではなく、名義人の見解としてお読みください。ただし、「今から積み始めても、積んだ分しか残らない」という点だけは今日の判断に関わります。発信は在庫であり、必要になってから急に増やせるものではないためです。就活生の生成AI利用に関する調査データを含む詳細はAIが求職者に「合う会社」を薦める時代へで扱っています。
中小企業が発信の場を持ち続けるには、何が必要か?
書く作業を社内に持たない設計にすることです。場所を用意しても更新が止まれば、古い記事が並ぶだけのページになります。
当社の設計は、社内に残す作業を「話すこと」だけにするというものです。経営者や社員が話した内容をAIが記事にして自社サイトに蓄積していきます。代表・原本自身が1人社長として「書く時間がない」「発信が続かない」を当事者として経験してきたため、続かない理由を意志ではなく設計の問題として扱っています(詳しくは経営者の発信が続かない理由)。
記事を蓄積し続ける仕組み自体には、マーケティング用途での実測があります。以下は当社の自社サイトとクライアントサイトの実績です。
| サイト | 対象キーワード | 順位 | 運用期間 |
|---|---|---|---|
| kigyousien.com(自社) | 起業支援 伴走サポート | 1位 | 1ヶ月 |
| kigyousien.com(自社) | 起業支援 伴走 | 1〜3位 | 1ヶ月 |
| souryokomon.com(クライアント) | 僧侶顧問 | 1位 | 1ヶ月 |
| souryokomon.com(クライアント) | 仏教 組織開発 | 1〜3位 | 1ヶ月 |
いずれも2026年8月時点の順位であり、検索順位は変動します。対象はロングテールのキーワードで、ビッグワードを狙わず確実に取れる言葉から積み上げる設計にしているため1ヶ月で結果が出ています。また、これは採用領域の実績ではなくマーケティング用途のSEO実績です。発信の場を持つことで応募数や定着率がどう変わるかについては、当社にまだ実測データがありません。そういう設計にしているという構想としてお読みください。検証の詳細は自動化SEOで本当に上位表示できるのかにまとめています。
出典:ノルツ株式会社 自社運用データ(kigyousien.com/souryokomon.com、2026年8月時点。souryokomon.com はクライアント掲載許可済み)魅力採用「ミリョクル」について
ミリョクルは、経営者が月1回・60分話すだけで、その内容をAIが記事にして自社サイトに蓄積する魅力採用のサービスです。魅力採用は「魅力を作る・伝える・成長する」の3つの軸からなり、採用サイトへの掲載と本社コーポレートサイトへの採用コンテンツ提供のどちらにも対応します。料金は内容に応じて個別にお見積もりします。記事本数は収録内容により変動し、本数の保証はありません。
