課長・部長の仕事は、上から降りてきた理念を正確に伝えることではなく、その理念を受けて自部署の方針を立てることです。方針を立てて未来を作る仕事は、当社の見方では管理ではなく経営に当たります。だから代表・原本は、この層を「管理職」ではなく「経営職」と捉え直すことを提案しています。そして経営職である以上、自分の仕事の哲学・考え方を明確に発信する必要がある、というのが代表・原本の考えです。
「管理職」と「経営職」は何が違うのか?
管理は「いまあるものを回す仕事」、経営は「未来を作る仕事」です。方針を立てる行為は後者に当たるため、方針を立てている課長・部長は実質的に経営の仕事をしていることになります。
日本の職場では、課長・部長といった役職を「管理職」と呼ぶのが一般的です。ただ、この呼び方は仕事の中身を正確には表していないと代表・原本は考えています。課長や部長が実際に求められているのは、進捗と人員の管理だけではありません。自部署が半年後・1年後にどうなっているべきかを決め、そこへ向かう道筋を示すことです。これは管理ではなく、経営の仕事です。
| 観点 | 管理職としての仕事 | 経営職としての仕事 |
|---|---|---|
| 扱う時間軸 | 今期・今月・今週 | 半年後・1年後の状態 |
| 主な行為 | 進捗確認・調整・報告 | 方針を立てる・示す |
| 理念の扱い | 会社の理念を伝達する | 理念を自部署の言葉に翻訳する |
| 部下から見えるもの | やるべきタスク | 判断の基準 |
| 評価されるもの | 期日どおりに回ったか | 向かう先が共有されているか |
ノルツ株式会社 代表取締役 原本 昌悟「課長とか部長とかね、そういう位置の人って未来を作っていく仕事だと思うんですね。方針を立てて。それって経営の仕事だと思うんですよ」
日本には「経営職」という言い方があまり定着していません。呼び方の問題は些細に見えますが、呼び方は期待される役割を形づくる面があると代表・原本は考えています。管理職と呼ばれ続けている人が、自分の役割を管理だと理解するのは自然なことだからです。
なぜ理念を正しく伝えているのに、現場に方針が浸透しないのか?
伝達だけでは、現場の判断に使えないからです。理念は抽象度が高く、目の前の具体的な選択にそのまま当てはめることができません。
よくあるのは、こういう流れです。社長が「わが社はこういう理念・ミッションでやっています」と示す。部長が部署のメンバーに「会社の理念はこれだ、だからこれでいきましょう」と伝える。これは間違っていません。正しい行為です。
ただ、ここで止まると、部下の手元には抽象的な言葉しか残りません。「顧客第一」と言われても、目の前の案件で納期と品質のどちらを優先するのかは決まらないからです。判断に迷ったとき、部下が参照できるのは理念そのものではなく、上司が過去にどう判断してきたかという実例と、その理由です。
つまり、抜けているのは翻訳の工程です。会社の理念があり、それに対して自分はこういう仕事の哲学・考え方を持っている、だからうちの部署ではこう動きましょう——ここまで言語化されて初めて、理念は現場の判断基準になります。
ノルツ株式会社 代表取締役 原本 昌悟「会社の理念はこうなっている。で、それに対して私はこういう仕事の哲学とか考え方を持っている。だからうちの部署ではこういうふうに動いていきましょうっていうようなね、部署ごとの考え方ってやっぱり必要じゃないかなと思うんです」
課長・部長は、自分の何を発信すればいいのか?
自分の仕事の哲学と、その哲学から導かれる自部署の方針だと考えています。人柄や趣味の話ではなく、判断の基準を言葉にすることが目的です。具体的には、代表・原本は次の5つを挙げています。
- 会社の理念を、自分はどう解釈しているか。同じ理念でも、部署によって重心の置き方は変わります。
- 自部署が半年後・1年後にどうなっているべきか。方針とは、この状態を言葉にしたものです。
- 迷ったときに何を優先するか。速度か、確実さか。既存顧客か、新規か。基準を先に示します。
- 過去の判断とその理由。抽象的な基準より、実例と理由のほうが現場では機能します。
- いま自分が悩んでいること。答えが出ていない論点も、示すこと自体に意味があります。
この5つは、いずれもその人にしか言えない内容になります。会社の理念は誰が読み上げても同じですが、それをどう解釈し、どう部署に落としているかは、その課長・部長固有のものです。だから代替が利きにくく、発信する価値があると考えています。
中間管理職が発信すると、部下との関係に何が起きるのか?
「上司が何を考えているか分からない」という状態が解消に向かいます。コミュニケーションは双方向であり、上司の思考が見えていない状態は、部下の側にとっても不透明な状態だからです。
上司が「部下が何を考えているか分からない」と感じているとき、部下の側も「上司が何を考えているか分からない」と思っている——これが代表・原本の見方です。この非対称を放置したまま面談の回数を増やしても、情報の流れは一方通行のままになります。1on1が報告会になってしまう構造については1on1が「報告会」で終わってしまう理由で詳しく扱っています。
当社は、上司の思考が普段から可視化されていれば、面談の頻度が高くなくても相互理解はある程度保たれると考えています。ただしこれは当社が実測したデータではなく、代表・原本の見解としてお読みください。
なお、職場の人間関係は実際に人が会社を離れる理由のひとつにも挙がっており、転職入職者が前職を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」を挙げた割合は男性8.9%・女性11.5%でした(厚生労働省調査)。
出典:厚生労働省「令和7年 雇用動向調査結果の概況」3 転職入職者の状況・表5(2026年8月31日公表)https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-2/dl/kekka_gaiyo-03.pdf
※令和7年の女性は「その他の個人的理由」23.8%を除くと「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」12.9%が最も多く、人間関係11.5%は2番目です。男性は「その他の個人的理由」16.8%・「その他の理由(出向等を含む)」12.1%を除くと「定年・契約期間の満了」16.1%が最も多い項目です。
中間管理職の発信は、採用にどう関係するのか?
求職者が本当に知りたいのは「誰の下で働くことになるのか」だからです。社長の考え方は会社を選ぶ材料になりますが、日々一緒に働く相手は直属の上司です。
採用サイトによくある「先輩社員の声」は、この需要に応えるためのコンテンツです。ただ、一度撮って終わりの記事だと、入社した年の空気しか伝わりません。課長・部長が自分の方針や仕事の哲学を継続的に発信していれば、それがそのまま「入社後に誰と働くか」を示す採用コンテンツになります。
| 発信する人 | 求職者が読み取れること | 社内で持つ意味 |
|---|---|---|
| 社長 | 会社としての価値観・方向性 | 理念の出どころ |
| 課長・部長 | 入社後に誰の下で働くか・判断の基準 | 部署の方針の可視化 |
| 先輩社員 | 仕事の実際・入社後の景色 | 現場の実感の共有 |
同じ素材が入社前と入社後の両方で機能する点が、この設計の要点です。採用のために作ったコンテンツが社内の理念浸透にも使われ、社内向けに書いたものが採用の材料にもなります。誰の声を集めるべきかの整理は先輩社員の声を拾うとEVP設計に近づくで扱っています。
なお、これによって応募数や定着率がどう変わるかについて、当社にはまだ実測データがありません。そういう設計にしているという構想としてお読みください。
発信を課長・部長の負担にしないためにはどうすればいいのか?
書く作業を本人に持たせない設計にすることです。方針を考えるのは本人にしかできませんが、それを文章にする工程は本人が担う必要はありません。
中間管理職はもともと現場の実務と管理の両方を抱えています。そこに「毎週ブログを書いてください」と追加すれば、続かないのは仕組みの問題です。代表・原本自身が1人社長として「書く時間がない」「発信が続かない」を当事者として経験してきたため、当社は続かない理由を意志ではなく設計の問題として扱っています(詳しくは経営者の発信が続かない理由)。
ミリョクルは、経営者が月1回・60分話した内容をAIが記事にして自社サイトに蓄積するサービスです。この形は社長に限らず、幹部社員・先輩社員、そして課長・部長の発信にも応用できます。本人に残る作業は「話すこと」だけになります。
記事を蓄積する仕組み自体には、マーケティング用途での実測があります。
| サイト | 対象キーワード | 順位 | 運用期間 |
|---|---|---|---|
| kigyousien.com(自社) | 起業支援 伴走サポート | 1位 | 1ヶ月 |
| kigyousien.com(自社) | 起業支援 伴走 | 1〜3位 | 1ヶ月 |
| souryokomon.com(クライアント) | 僧侶顧問 | 1位 | 1ヶ月 |
| souryokomon.com(クライアント) | 仏教 組織開発 | 1〜3位 | 1ヶ月 |
いずれも2026年8月時点の順位であり、検索順位は変動します。ビッグワードを狙わず確実に取れるロングテールのキーワードから積み上げる設計にしているため、1ヶ月で結果が出ています。また、これは採用領域の実績ではなくマーケティング用途のSEO実績です。検証の詳細は自動化SEOで本当に上位表示できるのかにまとめています。
出典:ノルツ株式会社 自社運用データ(kigyousien.com/souryokomon.com、2026年8月時点。souryokomon.com はクライアント掲載許可済み)ノルツ株式会社 代表取締役 原本 昌悟「その方針を、自分の考え方はどうなのかっていうのをしっかりとね、そこを表現をして伝えていくっていう、そこがね、必要なんじゃないかな」
魅力採用「ミリョクル」について
ミリョクルは、経営者が月1回・60分話すだけで、その内容をAIが記事にして自社サイトに蓄積する魅力採用のサービスです。社長だけでなく、幹部社員・課長・部長・先輩社員の考え方を発信するコンテンツにも応用できます。魅力採用は「魅力を作る・伝える・成長する」の3つの軸からなり、採用サイトへの掲載と本社コーポレートサイトへの採用コンテンツ提供のどちらにも対応します。料金は内容に応じて個別にお見積もりします。記事本数は収録内容により変動し、本数の保証はありません。
