日報は集めている。では、自分は何を返しているか

「報連相」は部下から上司だけじゃない|社長・上司からの発信が会社を動かす理由

日報は毎日上がってくる。週次の報告会もある。部下からの報告・連絡・相談の流れは整えてきた——それでも現場が思ったほど動かない、と感じる経営者は少なくありません。当社はこれを、報連相が一方向でしか流れていない状態だと捉えています。解説は、2019年6月にノルツ株式会社を設立し、代表1人で会社を運営しながらHR・人材事業者コミュニティ「HR TOKYO」を運営する代表取締役・原本昌悟です。

要点

報連相(報告・連絡・相談)は一般に部下から上司へ向かう行為として運用されています。しかし代表・原本は、社長・上司から部下への報連相のほうが抜け落ちやすいと考えています。部下からの報連相はPDCAの「Do」(何をしたか)に寄りますが、社長・幹部社員は「Plan」(何を考え、どこへ向かおうとしているか)から話す。この順序をそろえると、部下は会社の考え方を理解したうえで計画し、行動できるようになります。

「報連相」は誰から誰への行為なのか?

本来は双方向のはずですが、実際には部下から上司への一方向として運用されている会社が多い、というのが当社の見立てです。日報・週報・報告会といった一般的な仕組みは、下から上への情報の流れを整えるために作られているものが中心だからです。

「報連相」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、社員が今日の活動と結果を日報にまとめ、上司に提出する場面ではないでしょうか。これ自体は業務管理として必要なことで、否定する理由はありません。問題は、その逆方向の報連相について、同じだけの仕組みが用意されている会社が少ないことです。

「私はやっぱり上司からの報連相ってすごい大事なんじゃないかなというふうに考えています」

ノルツ株式会社 代表取締役 原本 昌悟

上司からの報連相とは、たとえば朝礼のような場で、会社の現状・今月末までの目標・自分がいま考えていることを社員に共有する行為です。特別なことではありません。ただ、部下の日報のように「毎日必ず出すもの」として制度化されている会社は、あまり多くないというのが当社の見立てです。

観点部下→上司の報連相上司・社長→部下の報連相
代表的な形日報・週報・報告会朝礼・方針共有・記事や社内発信
主な内容何をしたか・何が起きたか何を考えているか・どこへ向かうか
PDCAでの位置Do(実行)Plan(計画・検討)
仕組み化の有無制度として整っていることが多い担当者の裁量に任されがち
滞ったときの症状状況が見えない行動の方向がそろわない
オフィスで社員一人ひとりの顔を見ながら自分の考えを静かに語っている50代の男性経営者

なぜ社長・上司からの報連相は抜け落ちやすいのか?

受け取る側から催促されない行為だからではないか、というのが当社の見立てです。部下の日報は提出されなければ上司が気づきますが、上司の発信が止まっても督促する人はいません。

部下からの報連相には、締切と受け取り手があります。出さなければ「日報が届いていない」と指摘されます。一方、社長や部長が今月何を考えているかを共有しなかったとしても、「今月の方針が届いていません」と部下から言われる場面は想像しにくい——この非対称が原因ではないかと当社は考えています。

そうなると上からの報連相は「余裕があるときにやること」の位置に落ち着きやすくなります。これは意志の弱さではなく、催促のない行為は仕組みがない限り続きにくいという構造の問題だと当社は捉えています。※この段落は当社が実測した内容ではなく、当社の見解です。経営者の発信が続かない構造については経営者の発信が続かない理由|意志ではなく設計の問題で詳しく扱っています。

もうひとつ当社が挙げているのは、「まとまってから話そう」と考えてしまうことです。方針は固まってから伝えるもの、という前提に立つと、検討中の期間は何も共有されません。しかし現場が判断に迷いやすいのも、その検討中の期間だと当社は考えています。

社長・上司の報連相は、PDCAのどこから話せばいいのか?

「Plan」から話すのが良い、というのが代表・原本の考えです。部下からの報連相が「Do」に寄るぶん、上司側が「Plan」を担うと、PDCAが組織全体で一周します。

「社員からの報連相になると、具体的に何をしたか、そのDoの部分ですよね、PDCAでいう。なんですけれども、その社長とか、その幹部社員からの報連相って、プランの部分からね、やっぱり話した方がいいと思うんですよ」

ノルツ株式会社 代表取締役 原本 昌悟

ここでいうPlanは、決定事項だけを指しません。「いまここを議論している」「こういう方針を打ち立てようとしている」といった検討段階の話も、共有してよいというのが代表・原本の考え方です。むしろ検討段階を見せることに意味がある、というのが当社の見立てです。結論だけを渡されると「そう決まったこと」として受け取られやすいのに対し、検討の過程まで見えていれば判断の背景を辿りやすくなるのではないか、と当社は考えています。

PDCA誰が主に担うか共有される内容の例
Plan(計画)社長・幹部社員いま議論している論点/打ち出そうとしている方針/判断の基準
Do(実行)社員今日の活動・結果・気づいたこと
Check(評価)双方計画に対して結果はどうだったか
Action(改善)双方次にどこを変えるか

この流れが成立すると、部下は会社の考え方を理解したうえで自分の計画を立て、行動し、それに対して日報を書くという順序になります。日報の質を上げたいときに書き方の指導から入るより、その手前のPlanを共有するほうが効きやすいのではないか——これは当社の見立てであり、実測した結果ではありません。

上司からの報連相が足りないと、現場では何が起きるのか?

伝達漏れよりも根深い「行動指針のズレ」を招きうる、というのが代表・原本の見解です。情報が届いていない状態なら本人も気づけますが、向かう方向がずれている状態は、本人が一生懸命であるほど気づきにくくなります。

方針が共有されていない会社でも、社員は働いています。手を抜いているわけでもありません。ただ、何を優先すべきかの基準が各自の推測に委ねられているため、努力の方向が少しずつ散らばります。速度を優先すべき場面で丁寧さを取り、既存顧客を守るべき局面で新規を追う。それぞれの判断に悪意はなく、基準が示されていないだけです。

「行動指針のズレっていうのは、本当に100動いたのに1の成果も出ないような、下手したらマイナスの成果が出るようなことにもなりかねません」

ノルツ株式会社 代表取締役 原本 昌悟

なお、この「100動いて1」という言い方は、ズレの影響の大きさを示すためのたとえであり、当社が測定した数値ではありません。統計として受け取らないようご注意ください。

方針が見えないまま各自の推測で動く状態が続くことは、日々の働きにくさだけの問題にとどまらない可能性があります。厚生労働省の調査では、転職入職者が前職を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」を挙げた割合は男性8.9%・女性11.5%(2025年)でした。方針の共有不足がそのままこの割合に直結すると言えるわけではありませんが、人と人の関係にかかわる要因が離職理由の上位に並んでいることは、統計として確認できます。理念浸透と定着の関係は理念浸透と定着率の関係で整理しています。

出典:厚生労働省「令和7年 雇用動向調査結果の概況」3 転職入職者の状況・表5(2026年8月31日公表)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-2/dl/kekka_gaiyo-03.pdf
※令和7年の男性は「その他の個人的理由」16.8%・「その他の理由(出向等を含む)」12.1%を除くと「定年・契約期間の満了」16.1%が最も多い項目です。女性は「その他の個人的理由」23.8%を除くと「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」12.9%が最も多く、人間関係11.5%は2番目です。

社長・上司は、具体的に何を伝えればいいのか?

方針・やろうとしていること・考え方・価値観・哲学の5つです。いずれも業務指示ではなく、判断の背景にあたる情報です。

  1. いま考えている方針。決定済みでなくてよく、検討中である旨を添えて共有します。
  2. これからやろうとしていること。今月末・今四半期にどこへ着地させたいかを言葉にします。
  3. その背景にある考え方。なぜその方針なのか、何を見てそう判断したのかを説明します。
  4. 大切にしている価値観。迷ったときに何を優先するかの基準になります。
  5. 仕事に対する哲学。その人固有の部分で、代替が利きません。

この5つがそろうと、社員から見て「社長がいま何を考え、どの方向に会社を持っていこうとしているか」がはっきり分かる状態になります。魅力採用の考え方の根幹はここにあり、当社は社長・上司が持っているものを社内へ下ろしていくことを繰り返し推奨しています。

なお、課長・部長がこれを行う場合は、会社の理念をそのまま伝達するのではなく自部署の言葉に翻訳する工程が必要になります。この論点は課長・部長は「管理職」ではなく「経営職」で扱っています。また、面談の場で本音が出てこない構造については1on1が「報告会」で終わってしまう理由をご覧ください。

オフィスで並んで座り同じ方向を向いて話を聞いている社員たちの後ろ姿

上司からの報連相は、採用にも関係するのか?

上からの報連相のために話した内容は、そのまま採用コンテンツの素材になります。求職者が会社を選ぶときに見ようとしているのも、社長が何を考え、どこへ向かおうとしているかではないか、と当社は考えているためです。

とくに本記事の主題である「Planから話す」というやり方は、採用の文脈と相性がよいと当社は考えています。完成した理念やスローガンは他社と似た言葉になりやすい一方で、いま何を議論しているかは、その会社にしか言えない話になるからです。求人票に載らない種類の情報という点でも共通しており、求人票の限界については求人票だけでは選ばれない理由で詳しく述べています。

同じ素材の使われ方社内での意味社外(採用)での意味
方針・検討中の論点行動指針のすり合わせ会社の向かう先が見える
考え方・判断の基準部下が自分で判断できる入社後の働き方が想像できる
価値観・哲学理念浸透価値観が合うかを求職者が判断できる

ただし、この形で発信することによって応募数や定着率がどう変わるかについては、当社にまだ実測データがありません。そういう設計にしているという構想としてお読みください。

話す内容を毎回まとめるのが負担になりませんか?

話す工程と、文章にする工程を分ければ負担は下がります。何を考えているかは本人にしか言えませんが、それを記事の形に整えるのは本人の仕事である必要がありません。

上からの報連相が続かない大きな理由のひとつは、忙しさそのものではなく「話した内容を残す作業」が本人に乗ることだと当社は見ています。朝礼で話しただけでは、その場にいなかった社員には届きません。かといって毎回議事録を書くのは負担が大きく、結局続きません。

ミリョクルは、経営者が月1回・60分話した内容をAIが記事にして自社サイトに蓄積する魅力採用のサービスです。本人に残る作業は「話すこと」だけになります。社長・上司からの報連相の場面でも、この形をそのまま使えると考えています。

記事を蓄積する仕組み自体については、マーケティング用途での実測があります。

サイト対象キーワード順位運用期間
kigyousien.com(自社)起業支援 伴走サポート1位1ヶ月
kigyousien.com(自社)起業支援 伴走1〜3位1ヶ月
souryokomon.com(クライアント)僧侶顧問1位1ヶ月
souryokomon.com(クライアント)仏教 組織開発1〜3位1ヶ月

いずれも2026年8月時点の順位であり、検索順位は変動します。ビッグワードを狙わず、確実に取れるロングテールのキーワードから積み上げる設計にしており、上記はその運用で1ヶ月時点に記録した順位です。また、これは採用領域の実績ではなくマーケティング用途のSEO実績です。検証の詳細は自動化SEOで本当に上位表示できるのかにまとめています。

出典:ノルツ株式会社 自社運用データ(kigyousien.com/souryokomon.com、2026年8月時点。souryokomon.com はクライアント掲載許可済み)

魅力採用「ミリョクル」について

ミリョクルは、経営者が月1回・60分話すだけで、その内容をAIが記事にして自社サイトに蓄積する魅力採用のサービスです。社外への発信だけでなく、社長・上司から社員への方針共有(上からの報連相)の素材としても使えます。魅力採用は「魅力を作る・伝える・成長する」の3つの軸からなり、採用サイトへの掲載と本社コーポレートサイトへの採用コンテンツ提供のどちらにも対応します。料金は内容に応じて個別にお見積もりします。記事本数は収録内容により変動し、本数の保証はありません。

無料で相談する

原本

原本 昌悟 ノルツ株式会社 代表取締役。2019年6月に同社を設立。デザイン経営による経営者伴走支援、起業支援、Web制作・SEOを手がける。HR・人材事業者コミュニティ「HR TOKYO」運営。

CONTACT

まずは
「話を聞くだけ」から

「うちに語れることなんてあるだろうか」——その疑問こそ、最初にお聞きしたいことです。
導入するかどうかは、話を聞いてから決めていただいて構いません。しつこい営業はいたしません。

無料で相談する
SERVICE
魅力採用「ミリョクル」
魅力を作る・伝える・成長する。中核は、月1回・60分話すだけで記事が積み上がる自動化SEOです。
PRICE
内容に応じて個別にお見積もり
※一律の料金表は設けず、ヒアリングで必要なサービスを組み立ててからご提案します
COMPANY
ノルツ株式会社
〒150-0044 東京都渋谷区円山町5-5 Navi渋谷V 3階