会社の魅力を伝える相手は、待遇で大手と比べている層ではなく、やりたいことがあってあえて中小企業を選ぶ層です。そのなかでも重視するのは性格やスキルの一致ではなく、理念・ミッション・ビジョン・バリューに共感し、同じ方向を向いているかどうか。魅力を伝えるは、この層に向けて経営者の考えを発信し続けるためのサービスです。
会社の魅力は、誰に向けて伝えればよいのか?
「何か目的があって、自分のやりたいことのために、あえて中小企業を選ぶ人」です。待遇以外の軸で会社を選ぼうとしている人、と言い換えてもいいと思います。待遇の数字を並べて大手と比較している層は、最初からターゲットに入れません。
ノルツ株式会社 代表取締役 原本 昌悟「待遇だけで見て大手を選んでいく人ではなくて、何か目的があって自分自身でやりたいこととかがあって、それであえて中小企業を選ぶような人、そういうような人が一番ターゲットになってくるのかな」
条件面の比較で勝ちにいくと、給与・休日・福利厚生を上げ続ける勝負になります。資本力の差がそのまま出る土俵です。一方、「この会社は何のためにやっているのか」という問いに対する答えは、会社の規模とは関係なく用意できます。待遇で勝てない会社の採用戦略でも同じ前提から話を進めています。
なぜ待遇だけの求人票では、理念に共感する人が来ないのか?
求人票に書いてある内容が、そのまま応募の判断材料になるからです。職種・勤務地・給与・休日しか書かれていなければ、読んだ人はその範囲で比較します。
ノルツ株式会社 代表取締役 原本 昌悟「待遇面とかその辺の内容を書いているだけの求人票を出すと、志とかね、理念、ミッション、そういった部分で一致した人が入ってくることってほとんどないと思う」
志が一致する人は、志について書かれたものを読んで応募してきます。何も書いていない状態で、たまたま志の合う人が来ることを期待するのは、確率の話として厳しい。求人票という書式そのものの限界については求人票だけでは選ばれない理由にまとめています。
ターゲットを絞ると、応募数は減ってしまわないか?
母数としては減る可能性があります。それでも絞ったほうがいいと当社は考えています。中小企業が置かれている需給を見ると、条件面での競争は最初から分が悪いためです。
| 区分(2026年卒) | 大卒求人倍率 |
|---|---|
| 全体 | 1.66倍 |
| 従業員300人未満 | 8.98倍 |
https://www.works-i.com/surveys/report/250424_recruitment_saiyo_ratio.html
※同調査は第43回(2027年卒)以降、従業員規模別の求人倍率を公表していないため、規模別ではこれが最新の公表値です(2026年8月時点)。8.98倍は「従業員300人未満の企業を志望する学生」を母数とした倍率です。なお全体倍率の最新値は第43回(2027年卒)の1.62倍です。
300人未満の企業では、学生1人に対して求人が9件近くある計算になります。ここで「うちも待遇を良くします」と同じ土俵に乗っても、比較されるのは金額です。比較の軸そのものを変えられる相手にだけ届けにいく、というのが絞る理由です。
なお、この考え方で実際に応募数がどう変わるかについて、当社は実測データを持っていません。露出する内容を変えれば応募者の質が変わるはずだという設計としてお読みください。
「理念に共感する人」を、具体的にどう見分けるのか?
性格やスキルの一致ではなく、向いている方向が近いかどうかで見ます。ここを取り違えると、採用基準が「話しやすい人」に寄っていきます。
ノルツ株式会社 代表取締役 原本 昌悟「私の考え方としては、やっぱり企業の理念とかミッションとかビジョン、バリュー、そういったところに共感して似ている方向を向いている人。そういう人であれば……個人個人のビジョンが生まれるんじゃないか」
| 見るもの | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 理念・ミッションへの共感 | 最優先で見る | 入社後に自分のビジョンが生まれる土台になる |
| ビジョン・バリューの方向 | 最優先で見る | 判断が分かれたときの拠り所が揃う |
| スキル・経験 | 要件として確認する | 入社後に伸ばせる余地がある |
| 性格・相性 | 参考にとどめる | 面接での印象に左右されやすい |
スキルを軽視するという話ではありません。順番の問題です。方向が違う人にスキルがあっても、そのスキルは会社の目指す先には向きません。
価値観が一致していても、発信しなければ意味がないのはなぜか?
一致していることを、本人も会社も認識できないからです。価値観は、言葉にして外に出さないかぎり、存在していないのとほとんど同じ扱いになります。
たとえば経営者が「うちは技術で困っている人を助けるためにやっている」と思っていて、入ってきた社員も同じことを考えていたとします。その二つが一度も言葉として交わされなければ、社員の側には「言われた仕事をやっている」という感覚だけが残ります。
この状態が続くと、やらされ感が強まり、モチベーションが上がらず、指示を待つだけの働き方に寄っていく。能力の問題ではなく、接続されていないことによる受け身です。上司の考えが見えないことと離職の関係は理念浸透と定着率の関係で扱っています。
ノルツ株式会社 代表取締役 原本 昌悟「志の近い人間、そういう人に向けて発信することで、個々のビジョンを持ってね、能動的な、能動的に動くような、一人一人が経営者のような感覚で動くようなね、そんな社員が入ってきたら理想的なんじゃないかな」
ターゲットを決めたあと、何から書き始めればよいか?
会社の理念そのものを説明するより、理念が表れた判断を書くほうが早く届きます。以下は当社の整理による着手の順序です。何を書くかという中身の話は採用サイトに何を書けばいいか|募集要項の外側にあるもので詳しく扱っているので、ここでは絞ったターゲット向けに始める順番だけを挙げます。
- 今いる社員のうち、方向が近いと感じる人を1人思い浮かべる。その人が入社を決めた理由を、本人に聞けるなら聞きます。
- 会社として断った仕事を1つ書き出す。何を選ばなかったかは、何を選んだかより判断基準が出ます。
- その判断の理由を、結論から話して録音する。文章にしようとせず、話し言葉のままで構いません。
- 記事にして自社サイトに置く。求人票の外側に、読める場所を用意します。
- 面接で、その記事を読んだかどうかを聞く。読んだうえで応募してきた人が、絞った先にいる人です。
求職者が実際に知りたがっている軸については求職者が知りたいのは「差別化」ではなく「魅力」に、伝える内容自体の作り方は魅力をつくるにまとめました。
魅力採用「ミリョクル」について
ミリョクルは、経営者が月1回・60分話すだけで、その内容をAIが記事にして自社サイトに蓄積する魅力採用のサービスです。「魅力を作る・伝える・成長する」の3つの軸からなり、サイト記事に加えてnote記事・SNS用原稿も作成します(投稿代行は現時点で未サービス化)。料金は内容に応じて個別にお見積もりします。記事本数は収録内容により変動し、本数の保証はありません。
